Open Badges の今の様子の調査まとめになります。
Open Badges については WikiPedia にページがありますが、英語/日本語でほぼ同じようです。翻訳になっている感じでしょうか。
規格について
本家はこちらです
Open Badges に関して IMS での動きや仕様書はこちらにまとまっています。
Open Badges の規格は 2.0 までリリースされており、2.1 が Candidate Final のステータスで評価検証されているようです。OpenBadge v2.1 ではOAuth について記載があり、やり取りのセキュリティについても整備されていくのだと思います。
Open Badges に対応している製品は以下で検索できます。
https://site.imsglobal.org/certifications?refinementList%5Bstandards_lvlx%5D%5B0%5D=Open%20Badges
サービス:Badgr
もともと Mozilla が Backupack でデジタルバッジ管理サービスを運営していました。これが本家だったのですが、Mozilla は辞めてしまい、Badgr が引き継いでいます。と言っても、アカウント情報などが引き継がれたわけではなく、新しいサービスとして稼働しています。
4つのリージョンでサーバが異なっています。どこか選んでアカウントを作る、もしくはそれぞれにアカウントを作ることができます。
ログインすると、ここで自分の獲得したバッジを集めて管理することができます。なお、アカウントのメニューには言語の切り替えがなかったので、英語だけかもしれません。
アカウントは無料で登録できますが、Badgr をホストする方法も紹介されています。サーバのプログラムが GitHub で公開されているようです。
Blockcerts (ブロックチェーン証明書) を使ったサービス
もともとの Open Badges は、基本的なバッジのデータ構造と受け渡しのプロトコルが主です。発行元(Issuer)から比較的気軽に発行ができます。バッジを集めるホストでは、Issuer の確認などをしますが、仕組みとしてそこまでかっちりと改ざんチェックをするものではありません。なので、学習のなかの細かな達成事項をどんどんバッジにしてあげて、学習が進んでいく感じを学習者に感じてもらうのには良いのですが、例えば大学や国家資格の修了証書には心もとないです。
改ざんが難しく信頼性の高い証明に使う技術として Blockchain が注目されており、それを使った証明書の技術が Blockcerts です。
日本の企業で NetLearning 社もブロックチェーン型オープンバッジの仕組みを実現しているようです。「オープンバッジとは」のセクションの *2 に Blockcerts を利用していると書かれています。
https://www.netlearning.co.jp/openbadge/index.html
デジタル・ナレッジ社でも、オープンバッジのソリューションとして OpenBadgeとBlockcerts が用意されているようです。
Open Badge 準拠なわけではないかもしれませんが、同じく Blockcerts を使ったブロックチェーン証明書発行システムのサービスが日本にもあるようで、それを運営している会社のブログ記事に解説がありました。
日本語の Wikipedia ページにもリンクがあった一般財団法人 オープンバッジ・ネットワークでも、「オープンバッジとは」のところを見るとブロックチェーン技術を取り入れているとあり、Blockcertsとは書いていませんがおそらく同様のことをしているのではないかと思います。
日本の大学でのオープンバッジ利用
中央大学でオープンバッジの実装実験を行っているそうです。
https://www.chuo-u.ac.jp/aboutus/communication/press/2021/08/55724/
具体的なことはわからないのですが、特定の科目で修了証を発行するそうです。
WebClass での状況
OpenBadge v2.1 は Final Candidate の段階ですが、OAuth について記載がありました。やり取りのセキュリティについても整備されていくのだと思います。それはそれとして、証明書自体が本当に信頼できるものかどうかより確かにするための Blockcerts もあることが分かりました。
WebClass ではこれまでに OpenBadge の初期のAPIを使ってコースや教材のバッジ発行を試していました。コースの中で達成したことを、先生が用意する教材に応じてバッジが発行できるのも面白そうです。