Chrome77

こんにちは。福岡です。

Chrome for Desktop 77 が9月10日にリリースされましたので、その変更内容とWebClassへの影響についてピックアップして説明します。

2019/10/23 テスト・資料ページの印刷の問題について、ページ最後に追記しました。

Chrome のリリーススケジュールについて

ブラウザの Chrome も Firefoxと同様に、だいたい1ヶ月半くらいのサイクルでバージョンが上がります。安定板とベータ版が常に並行して動いていて、次のリリースがいつ頃来るかはこちらで確認できます。

https://www.chromestatus.com/features/schedule

Chrome77

Chromeのリリースノートは以下に公開されていて、ベータチャンネルやAndroid版などが混じるのですが、「Stable Channel Update for Desktop」のタイトルがデスクトップ版のChromeブラウザの安定板リリース情報になります。

https://chromereleases.googleblog.com/

Chrome77の安定板リリース情報はこちらになります。

https://chromereleases.googleblog.com/2019/09/stable-channel-update-for-desktop.html

基本的には主な内容がまとまっていて、ページの下の方に全変更一覧のリンクがあります。

Chrome77に関する開発者向け情報は以下です。

https://developers.google.com/web/updates/tags/chrome77

Pickup for webclass

WebClass の操作に影響のありそうな変更は特に見当たりません。

メモ

Chromeのリリースノート等を詳細にチェックしたのは初めてだったのですが、拡張された点として以下のを見つけました。

Partition the HTTP Cache

https://www.chromestatus.com/feature/5730772021411840

セキュリティ対策のようです。リンク切れですが脅威モデルの資料と、修正に関するドキュメント(このリンクは生きています)が添えられています。

'formdata' event

https://www.chromestatus.com/feature/5662230242656256

'formdata' eventについては、上記ページに以下のドキュメントがリンクされています。
https://docs.google.com/document/d/1JO8puctCSpW-ZYGU8lF-h4FWRIDQNDVexzHoOQ2iQmY/edit

タイトルは API Proposal となっていて、どういう検討をしてこのAPIが仕上がっているか書いてあります。

Enter Key Hint

https://www.chromestatus.com/feature/5654529808793600

タグに付与する属性の拡張のようです。デモのページや使用のページが添えられています。

仕様は以下にあります。
https://html.spec.whatwg.org/multipage/interaction.html#input-modalities:-the-enterkeyhint-attribute

HTML5と一言に行っても、いろんな仕様があって、上記URLのページ等でまとめられているようです。

Overscroll Behavior logical longhands

https://www.chromestatus.com/feature/5729982653399040

こちらはCSSの以下のDRAFT仕様の実装のようです。
https://drafts.csswg.org/css-overscroll-1/#overscroll-behavior-longhands-logical

これらを見渡してみて

Chromeはこれまて積極的に仕様の拡張・切り替えをしてきた印象ですが、こうしてみると変更の1つ1つは根拠資料などまとめられていて、それらがこうしてひとつひとつ公開されているのは、すごいなと思いました。

速いからといって適当なわけではない、その実現のためにはいろんな道具やルール、そして人の技術があるんだと思います。

もちろん他のオープンソースプロジェクトでも、バグトラッキングシステムが動いていたり、変更は申請・許可制を敷いていたりと、開発プロセスが整えられ公開されています。いろんな人が関わるからこそ、標準化と公開が重要なのだと思います。

WebClassでも開発の管理はオープンソースの世界で用いられているものを参考にさせてもらっています。規模の問題もあるので最後は私たちにあったものに調整して取り入れています。実際、Chromeのこうした情報についても、ついていける人がどれだけいるんだろうという疑問もあります。私たちも、どうやって利用者を含めた関係者と協力関係をつくって進めていくか、まだまだ勉強することがあるなと思いました。

フレームページの印刷について

WebClass のテストや資料をPC用の画面で開くと、問題・ページ一覧と、設問・ページとをフレームで区切って表示する画面になります。

このページをブラウザの印刷機能で印刷しようとすると、以前はフレームで区切られた様子が印刷できたのですが、最近の Chrome では真っ白で印刷される問題が起きています。

おそらく、Chrome で管理している Issue で対応するものはこちらと思います。

https://bugs.chromium.org/p/chromium/issues/detail?id=1016291&q=print&colspec=ID%20Pri%20M%20Stars%20ReleaseBlock%20Component%20Status%20Owner%20Summary%20OS%20Modified

2019/10/22 に Chrome78がリリースされましたが、状況は変わっていないようです。