iOS & iPad OS 15

Mac では Safari 15 がリリースされていますが、iPhone と iPad ではそれぞれ iOS 15 と iPadOS 15 も同時にリリースされています。

Safari 15 での WebClass 動作状況は先日に以下で紹介しました。

https://webclass.jp/blog/2021/09/29/safari-15/

ここでは iOS と iPad OS 15 にフォーカスします。

Release notes

ユーザ向けリリースノートは以下です

開発者向けの情報は以下です

ピックアップ

WebClass はWebのシステムなため、OSの機能をフルには使いません。ですが、現実的には iCloud の機能はレポートなどファイルの準備とアップロードに関係しますし、Notes や Apple Pencil あたりはメモをとったりする使い方に影響があります。

いくつか気になる変更をピックアップしました。

集中モード

集中モードというのが追加されています。睡眠中や仕事中などのいくつかのモードを定義でき、それぞれのモードではどのアプリからの通知だけ許可するか、誰からの通知だけ許可するか、など設定できます。

Wifi とかの設定の画面にFocusモードの枠が加わっています。


DoNotDisturb は私は解除し忘れたりするので時刻設定して自動でON/OFFしてもらえる機能は助かります。Sleep モードについては 寝る時間と起きる時間を設定していると反映してくれます。仕事などの日中の集中モードも、時刻と場所(位置情報)および使っているアプリで自動的に発動するようにできます。

大学生だと、授業中にサークルのLINEグループが盛り上がってて通知うるさい、みたいなのに対応できるんでしょうか。

ウィジェット(iPadOS)

私は Android も使っていて、ホームスクリーンのウィジェットもしばらく使っていました。ウィジェットの使い勝手はアプリと自分の使い方に依存するところが多く、最近はむしろ使わなくなりました。と思ったら、iPadOS に実装されたみたいです。

マルチタスクとクイックメモ(iPadOS)

iPad OSではマルチタスクのための操作体系が拡張されたようです。

ブラウザとノートを半々に開いて、調べたメモをノートにコピーしていくことができました。分割具合を調整したりするのはどうしても指だと不器用な感じが出ますが、全画面アプリ切り替えるよりはいいかなと思いました。

クイックメモは Chrome ではうまくいきませんでしたが、Safari でテキストを選択するとクイックノートのメニューが出てきました。メモ画面は画面を区切らず浮かせて表示できます。メモをとるのは標準アプリのNotes ですが、他のアプリに差し替えたりできないですかね。

まとめ

特に iPad は、個人的に注目しています。アルバイトの学生に話を聞いてみると、授業のノートを取るのに使っている学生もでてきているようです。話を聞いた子もそうでした。ノートを分けないので「あの科目のノート持ってくるの忘れた」も起きず、板書も記号や図、数式などそのまま書き着込めます。PDF の資料も取り込んで、その上から書き込みとかもできます。研究室配属されている子も、すでに論文を上でいちいち印刷することは無くなってきているようで、iPad 等で読みながらその上に線引いたりしているようです。

私も英語の勉強をするのに iPad + Apple Pencil を使うようになりました。ノートはワープロで取りにくいのは以前からわかっていましたが、ノートアプリにペンで手書きを実際にやってみると記入位置を入れ替えたりして途中に追加で書き込むスペースを作ったりもできて、便利です。文字は自動認識させずに、手書き文字のまま書いています。

引き続き、今の学生がどんなふうに勉強しているのか、できてしまうのか、ウォッチしていきたいと思います。

Safari 15

Safari 15 がリリースされました。

大きな変更点としては、UI、特にタブ周りですね。タブのグルーピングなど大胆に変更しており、まず使い慣れる必要がありそう。

あとは、iCloud キーチェーンとの連携強化などがあります。

WebClassに関係のある変更

テストや資料教材に PDF をとりこんで画面表示する際、ごく一部の PDF では、ページの途中でロードが止まってしまう問題を確認しています。PDF を表示するために使用している PDF.js と Safari 新バージョンの相性が悪いようで、この組み合わせでのみ問題が起こります。問題の解消には Safari の更新を待たないといけないかもしれません。続報があり次第このページを更新します。

--- 2021/11/4 追記 ---
Safari 15.1 がリリースされましたが、状況に変わりありません。PDF.js に関係ありそうな Issue がありましたが、Safari 側の問題として Close されました。
--- 2021/12/9 追記 ---
Safari Technology Preview Release 136 (Safari 15.4) で、ロードが止まってしまう問題が解消していることを確認しました。Stable Safari でもじき解決しそうです。
--- 2022/3/17 追記 ---
Safari 15.4 がリリースされました。PDF表示中にロードが止まってしまう問題が解消していることを確認しました。
--- 追記ここまで ---

また、Redesigned form controls in iOS. とあるので、念のため iPhone でテスト回答まわりを動作確認しましたが、問題ありませんでした。

最後に

その他ブラウザのリリース情報はこちらにまとめています。

Firefox 92

Firefox 92 が 9 月 7 日にリリースされました。

Firefox 92 release note

以下のリンクに主な変更点の情報が記載されています。

https://www.mozilla.org/en-US/firefox/92.0/releasenotes/

https://developer.mozilla.org/en-US/docs/Mozilla/Firefox/Releases/92

Pickup for WebClass

WebClass に影響ある変更はありませんでした。

気になる変更点

CSS accent-colorプロパティの追加

チェックボタンやラジオボタンを選択したときに表示されるアクセントカラーを指定できるようになりました。
Chrome93 でこの機能は実装されたのですが、今回の Firefox のアップデートはこれに追従する形で実装がされました。

MDN に掲載されている以下の使用例を参考にしてください。
https://developer.mozilla.org/en-US/docs/Web/CSS/accent-color

今後の Firefox リリースについて

次回のリリースは 10 月 5 日に予定されています。

Firefox Release Calendar

その他ブラウザのリリースはこちらにまとめています。

Debain 11 と unattended-upgrades

Debian 11 が8月にリリースされました。

PHP 7.4 + PostgreSQL 13 になっています。WebClass の対応状況は検証中ですが、構成はあまり変わっておらず、PHPもPostgreSQLも下位互換性のない変更はあまり無さそうです。

Debian 10 からですが、Install CD からインストールすときにパッケージの自動更新を有効にするかどうか聞かれます。このプログラムは unattended-upgrades といい、セキュリティアップデートなどを定期的にチェックして更新を適用します。

https://wiki.debian.org/UnattendedUpgrades

デスクトップ用途では便利かもしれませんが、サーバ用途ではサービスの再起動などがかかると夜に仕込んでいたバッチ処理に影響が出るなどするので、OFF にしています。

Install CDからインストールするとき確認画面で No を選択しているとパッケージもインストールされませんが、AWS 上のイメージを使ったときには最初から有効になっていたケースがありました。以下のコマンドで設定状況を確認して、もしあれば purge しています。

systemctl status unattended-upgrades
systemctl stop unattended-upgrades
systemctl disable unattended-upgrades
apt purge -y unattended-upgrades

Debian のaptコマンドは、インストールするときはプロセスを自動的に立ち上げてくれますが、remove/purge するときはプロセスを殺してくれません。なので、予めサービスを止めてしまいます。

Chrome 93 以降は 4週ごとにアップデートリリースになります

こんにちは。福岡です

Chrome browser のリリースサイクルが早くなるようです。これまでは6週サイクルでしたが、今日にリリース予定の 93 がリリースされた後は4週サイクルに変わります。

https://developer.chrome.com/blog/faster-release-cycle/

Microsoft Edge もいまは chromium ベースで、リリースサイクルは Chrome に合わせています。そのため、Edge の 4週サイクルになるそうです。

https://docs.microsoft.com/en-us/deployedge/microsoft-edge-release-schedule

でたばかりの頃のChrome は結構攻めた変更を入れてきた印象ですが、今は流石にシェアもあってわきまえている印象ですので、それで普段使う操作があれこれ変わるということはないと思います。それよりもセキュリティ対応を素早く提供してもらえる恩恵があると思います。

Chrome は新しい機能の実装もどんどん進められています。新しい機能は開発者向けに Origin Trails という、有効化しないと動かない隔離された実装として提供されています。それでフィードバックを集めたりしてこなれたものが標準機能に降りてくるのだと思います。

https://developer.chrome.com/blog/origin-trials/

https://developer.chrome.com/origintrials/